仮想通貨が登場した背景とは?
仮想通貨は銀行に対する不満から始まった
仮想通貨で一番有名なコインは「ビットコイン」です。ビットコインからドルや円などの法定通貨と両替できることから、ビットコインは仮想通貨の基軸通貨と言っても良いのではないでしょうか?
仮想通貨の可能性を理解するには、その歴史や背景を理解するのが最も近道です。それでは、ビットコインの歴史をみていきましょう。
ビットコインはこうして生まれた
ビットコインは2008年に「サトシ・ナカモト」という人物が発表した論文から始まりました。この論文の内容をざっくり説明すると「銀行による中央集権的な仕組みで成り立っている今の仕組みは、ユーザーに優しくないため、銀行に頼らないでお金の送金などのやり取りができないものか?」といったものでした。
この世界は、金融支配によって成り立っています。銀行は大きな力を持っており、人々はお金を動かす時には銀行などの金融機関がいなければ何もできません。
銀行送金手数料は銀行の貴重な収益源
銀行の送金手数料は銀行にとって大切な収益源です。また、利用者にとっては、せっかく貯めたお金の一部を取られてしまうため、歯がゆい思いがします。
日本にいて、東京から大阪に10万円を送金する際、手数料は200円くらいで届きますよね。けど、日本の常識は世界の常識ではないんです。例えば、日本からフィリピンに送金するとして、10万円送るのに5000円の手数料を取られてしまいます。
フィリピンから日本に出稼ぎで働きに来ている方には深刻な問題です。これが海外送金だからというわけではありませんよ。アメリカでは東海岸から西海岸に送金する際、送るのに3日から1週間かかるうえに、国内なのに3000円もかかりますからね。
世界銀行の調査によると、2014年の世界の国際送金額は1890億ドル(約20兆円)でした。この数%が銀行手数料だとすると、とんでもない収益だということがわかりますね。
ビットコインを支える技術
ビットコインは銀行管理の仕組みを脱却しようという目的で始まりました。そして、サトシ・ナカモトのレポートをもとに世界の技術者が作り上げたのが「ビットコイン」でした。
ここで大切なのは、ビットコインを支える技術「ブロックチェーン」が革命的だということです。ブロックチェーンは分散型台帳と呼ばれており、みんなで取引を承認しあうという仕組みにより、中央管理者を置かなくても成立する技術です。これについてまた別の記事で述べます。
ビットコインは中央管理者が必要ないので、手数料がほぼゼロで、お金のやり取りを瞬時に、いつでも送ることが出来るようになりました。
非常に使い勝手の良い、便利な技術に人々は注目しました。送金に不満を抱える人は多く、これから送金手段は大きく変わっていくと思います。
ブロックチェーンが見せてくれる新しい世界
かつて、インターネットが普及したことで、郵便がEメールに代わり、固定電話がスカイプに、買い物はamazonなどのネットショップへと様々なサービスが形を変えました。
ブロックチェーンもこれと全く同じです。ブロックチェーンという技術を活用して、お金が仮想通貨というアプリになり、これ以外にも中央集権化されている仕組みに大きな変化をもたらすでしょう。
広告代理店、不動産仲介、医療機関の患者データ管理、ポイントカード、パスポートなど。
ブロックチェーンは新しい時代を切り開きます。それは、仮想通貨が儲かるというところだけにフォーカスしていたら非常にもったいない。とてもワクワクする世界だと思います。